--身近な存在にするため、何を意識したのか
「以前、バイクに乗っていて、もう一度乗りたいと思った人たちが、日常の使い勝手で何が必要なのかを議論した。まず荷物を入れるスペースが必要だととか。エンジンの性能も、独の高速道路アウトバーンですら最近は混雑しているので、1万回転とか時速200キロとかは必要ないのではと考えた。実際にモニター調査をしたところ、9割の方が日常では6000回転、140キロで十分だということが分かった」
--それで、低中速域を重視したバイクを作ろうと
「社是でも、『廉価で高品質な商品を多くの人に提供する』と謳っていることをずっと忘れていた。とはいっても、15年前に、『低中速域重視のバイクを作る』と言っても『バカか』と言われたと思う。リーマン・ショックや東日本大震災を契機に、よりリーズナブルで環境に良い商品を求める風潮が高まってきたことは、開発の追い風になった」
--実際の評判はどうか
「日本よりも先に発売した欧州で、ジャーナリスト向けの試乗会を行った。彼らは乗車する前は『たったの50馬力しかないなんて、なんなんですかこのバイクは?』とバカにしていたが、実際に乗ってもらった後は、『十分に力強いし、速い。それなのに燃費も良い』と評価してくれた。『ホンダは、米アップルがiPhoneで携帯電話に革命を起こしたように、このバイクで革命的なことをやった』と評価してくれた人もいた」