トヨタ新型車「アクア」。JCO8モードで1リットルあたり35.4キロメートルの燃費を実現した(小野淳一撮影)【拡大】
日本の製造業は復活するか。今期(2012年3月期)は巨額赤字に転落する輸出メーカーが相次いでいるが、来期(13年3月期)は一転、トヨタ自動車の営業利益が1兆円に達する可能性もあるなど自動車メーカーが軒並み躍進、ソニーや任天堂も黒字転換が期待できると専門家は予想する。海外市場では韓国メーカーに押され気味だったが、円安や米国景気の回復基調を追い風に反転攻勢に打って出る。(夕刊フジ)
昨年10月に1ドル=75円台前半まで進んだ為替レートが、84円台まで円安に戻っている。「この水準が続けば加工型製造業とゲーム産業の来期以降の業績に寄与する」と指摘するのは楽天証券経済研究所の今中能夫アナリスト。
特に期待できるのが「自動車メーカー」だという。トヨタは今期の連結業績予想で、本業の儲けを示す営業利益は2700億円を見込むが、「震災やタイ洪水の影響がなければ利益は5000億円程度と推定できる。トヨタの前提レートは1ドル=78円で、1円の円安で320億円の増益要因となるので、84円台が続くと年2000億円近く上乗せされる。さらに増産ができれば8000億から1兆円という計算が成り立つ」と分析する。
ホンダも同様に円安メリットが期待できるといい、両社が春闘で今年のボーナスについて満額回答したのもうなずける。