アジアの利用客も多いシーガイアで積み上げた運営ノウハウを海外展開して他のアミューズメントに生かし、売り上げの拡大を図る-。シーガイア買収の裏には、新たな成長エンジンを手に入れたいセガサミーの深謀遠慮がある。
「第2のハウステンボス」期待も前途険しく
買収に、地元からは安堵(あんど)の声が漏れる。シーガイアをめぐっては、中国やエジプトの企業による買収話も一時浮上したとされ、しかもここにきて再度の経営危機がささやかれていた。
同時期に開業し、やはり経営破綻に追い込まれた長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」は、10年にHISが経営を引き継ぎ、11年9月期に初の営業黒字を達成している。地元財界関係者は「“タイムリミット”の直前に日本企業が救ってくれるとは。ハウステンボスのようになれば」と期待する。
だがフェニックスリゾートのある社員は「経営が上向く保証はない」と不安もみせる。