シャープが資本・業務提携している台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業は、過去に中国の一部の工場で自殺者が相次いだほか、暴動が起こった工場も。郭台銘会長の強烈なトップダウン経営により、一代で鴻海を売上高約10兆円の大企業に成長させたが、犠牲になった部分も無視できない。
韓国サムスン電子も李健煕(イ・ゴンヒ)会長のトップダウンによる経営判断で巨大企業に成長した。一方で社員を徹底した実力主義で評価し、「妻と子供以外はすべて変えろ」という強引とも思える経営にはひずみも生じている。
グローバル競争が進む中で、ボトムアップが多い日本式経営を捨てるべきとの声は少なくない。人を重視するダイキンの経営は韓国や台湾メーカーに対するアンチテーゼとも言え、日本企業が勝ち残るヒントになりそうだ。(中山玲子)