「創業からいろんなビジネスをやってきた歴史がある。特定の事業に偏ると危険だという認識があったからだ。過度の選択と集中は危険」(小池社長)。そのDNAを守り続けた。通信カラオケを中心とするネットワーク関連事業は今期に黒字転換、工作機械事業も売り上げの拡大が続いている。
ミシンに代わる中核事業を探し、試行錯誤を続けたブラザー。現在、主役となったプリンター事業にも安住していない。
「電子化の進展で今の事業構造は変わらざるをえない。紙を使わない、次の事業を早くつくる」。小池社長はこう述べ、多角化のDNAにさらに磨きをかけ続ける。(内山智彦)