「社員の幸せ」に投資する鍋屋バイテック あのサムスンも研修にやってくる! (2/4ページ)

2012.11.4 07:10

 手当ての支給額は、資格ごとに数百円から数万円まで。最高では10件強を取得し、月4万4千円も受給する社員もいる。

 資格取得のために通信教育を受ける場合、全講座を修了すれば受講費は全額会社が負担。途中で断念しても半額は負担する。制度による会社の出費は年間3千万円にもなる。

 「遊びの部分があって、初めて仕事はおもしろい」と金田社長

 業務と直接関係ない資格の取得が目立つのもユニークだ。例えば、経理担当の社員が危険物取扱者、工場の作業員が秘書技能検定…など。ちなみに、工場作業員の人気資格は秘書技能検定という。

 企業経営に「投資対効果」が求められる昨今、なぜ一見“ムダ”な投資を続けるのか。

 金田光夫社長は「遊びの部分があって、初めて仕事はおもしろい。人としての深さや幅をもたせる支援ができたら、回り回って社業にいいことがあるかもしれない」と話す。

 そこには「社員の幸せが第一」という同社を貫く経営理念がある。なんとも懐の深い会社なのだ。

 同社は1560年創業。千利休に茶釜を納めたこともある鋳物業が発祥の老舗の名門企業だ。

「誰しも資格が認められるのは励みになるはず」

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