ただ、これまでの道のりは平坦(へいたん)ではなかった。高度成長期が終わるとともに、業界の価格競争が激化。コスト削減のために大量生産し、一時は在庫が積み上がるという悪循環に陥ったことがある。
そのとき、創業家出身の故岡本太一会長が事業の大変革に着手。社員の自主的な取り組みに任せ、1個の注文から応じる“多品種微量生産”に切り替えた。
また、米国でデュポンやGEを見学した際、創造的な製品は従業員が働きやすい環境から生まれる、という考え方に大いに感銘を受けた。社員の向学意欲を応援する仕組みはそれがきっかけだった。
「誰しも資格が認められるのは励みになるはず。それでみんなが楽しんで働けるようになれば」と担当者は話す。
本社工場は“リゾート施設”と見間違うほど
資格取得者はリーマンショック後の平成21年と22年に前年比2割強も増加。その21年は初の営業赤字になるなど厳しい状況で、受検者増加は“痛手”だったが、それでも継続した。「勉強するきっかけになるのなら安いもの」と金田社長は気にしない。