東京電力の老朽火力発電所【拡大】
さらに、東電の火力事業は東ガスにとって最大の販売先だ。「電力事業で真っ向勝負を挑んで逆襲されたら、経営への影響は計り知れない」(幹部)との恐怖感もあった。
しかし、東日本大震災後は景色が一変した。原発停止に伴う電力不足の懸念から、東ガスはむしろ扇島パワーなどの増強を東電から水面下で求められる立場に。資金難にあえぐ東電は、5月に政府の認可を受けた総合特別事業計画でも他社との提携強化を打ち出し、東ガスには電力事業の拡大をためらう理由がなくなった。
また、政府は「新電力」の参入を促し電力会社の地域独占を崩すため、電力システム改革で小売りの全面自由化などを検討している。東ガスにとっては事業環境がさらに優位になる可能性が高く、市場が活性化すれば料金の値下げや新しいサービスに結びつく期待もある。
このため、東電案件への参画に先行し、環境影響評価を済ませながら建設を見送っていた扇島パワーの火力設備の増設計画実施を決めるなど、すでに自力による事業拡大に乗り出している。