東京電力の老朽火力発電所【拡大】
もっとも、東ガスによる電力事業の拡大は、順風満帆とはいかない。
東電の古い経営体質 事業加速に壁
東電の「自前主義」は、高コスト体質の象徴として激しい批判を浴びながらも根強く残っている。火力電源の競争入札は自前脱却の一歩だが、仕事を失う火力部門の反発は必至。都市ガス大手幹部も「東ガスは過去にも袖ケ浦の更新などを打診したが、東電は費用負担を求めるばかりで詳細な情報を出さなかったようだ」と指摘する。
東電の広瀬直己社長は「せっかく募集して、いちいち難癖をつけていたら意味がない。万が一そういう動きがあったらしっかり指導する」と話すが、エネルギー業界内には「東電は経営再建後には提携を解消する気では」(石油元売り幹部)との疑心暗鬼も根強い。
「火力発電所は数千億円の資金を20年以上かけて回収する。原発が動くなら電気代が下がりとても回収できない」(東ガス幹部)と、原発再稼働をめぐる政府対応のリスクも大きい。
東電の古い経営体質と、腰の定まらない政府。電力事業を加速したい東ガスの前に立ちはだかるハードルは高い。(田辺裕晶)