バランスボールには、ころがらない対策が施されている=京都市山科区【拡大】
日ごろから「社員は家族も同然。みんなが健康であってこそ、初めて最高の製品やサービスを届けられる」という考えをもっていた中野社長は、さっそく本社や滋賀県の工場、東京支社のいすを全部撤去させ、計400個のバランスボールを購入、配置した。今年4月のことだ。
「背もたれがないので姿勢がよくなった」と女性社員
さすがに社員らも、当初はコロコロ転がる「いす」にとまどったという。そこで、ボールを固定するためのリングを作ったり、足で踏んで使う空気入れを各部屋に用意。社員それぞれが自分にしっくりくるように調整できるようした。
ころがってしまわないための対策はちゃんとあったのだ。これで社員たちの“不安”も解消。徐々に溶け込んでいき、仕事に集中できるようになった。
とくに会社として健康面での効果を検証したわけではないが、マーケティング本部の安東希実子さん(28)は「背もたれがないから姿勢がよくなり、背中が引き締まりました」と喜ぶ。
また、同本部の谷田綾子さん(30)は「自然にいろんな姿勢でストレッチできるし、集中して仕事ができます」と話す。