対戦型格闘ゲームの代名詞ともいえるカプコン(本社・大阪市中央区)の「ストリートファイター」は今年、誕生25周年。家庭用ソフトのシリーズ累計売り上げは3300万本を誇るが、成功の裏には社内でのゲームさながらの激しいバトルがあった。(川西健士郎)
ストリートファイターの歴史は、格闘技をイメージしたゲームセンター用の筐体(きょうたい)(機器のフレーム)を描いた一枚のスケッチから始まった。
「これができたらすごい」。昭和61年の大型連休明け。開発担当の青木隆さん(63)=現・品質管理部長=の心は躍った。
デザインやサウンドの担当を集めて構想を練り、昭和62年、ゲームセンター用の「ストリートファイター」が完成。ボタンを押す強弱で、繰り出すキックやパンチの強さが変わる斬新な感覚が話題となった。
平成3年に、改良版の「ストリートファイターII」が登場すると、あるゲームセンターが複数の筐体をコードでつなぎ、見知らぬ他人同士が対戦できるように設定した。ゲーム界でいう「乱入」のルーツだ。