このため「反対売買できなかった場合には翌日に自動的に繰り越され、任意決済となるため、かえって手数料や金利がかさむ」(他のネット証券大手)と冷ややかにみる向きもある。
それでも、松井の“奇策”に対し他社は「対抗策を検討していないとはいえない」(SBI)と警戒しており、競争に拍車がかかる可能性もある。
長年にわたる熾烈(しれつ)な競争で、ネット証券の手数料はぎりぎりの水準まで低下。リーマン・ショック後の相場低迷が追い打ちをかけ、大半のネット証券が収益低下に苦しんでいる。近年は外国株の品ぞろえを増やすなど収入源の多様化にも取り組んでいるが、規制緩和で過当競争に陥れば一層疲弊しかねない。
規制緩和でデイトレーダーの取引量が増えても、「それ以上に競争が激化すれば、業界全体が『労多くして益少なし』ということになりかねない」(あるネット証券幹部)との声さえ出ている。(井田通人)