新電力の販売電力量【拡大】
発電事業の大再編がいよいよ動き出す。電気料金の値上げや政府が火力発電所の新増設で義務づけた競争入札の影響で、電力各社の地域独占体制が揺らぎ始めたからだ。
2月から入札を始める東京電力をはじめ、電力各社は異業種からの参入組と発電コストで競い合う。商社や都市ガス、石油など燃料調達や発電ノウハウを持つ企業が虎視眈々(たんたん)と巨大市場への参入を狙っている。電力業界内でもほとんどなかった顧客奪い合いが活発化する気配もあり、“電力戦国時代”の幕開けとなりそうだ。
競争入札義務づけ
「造りたくても造れなかった3号機にようやく着手できる。職員たちは張り切っている」
東京ガスと昭和シェル石油が共同運営する天然ガス火力発電所「扇島パワーステーション」(横浜市)の幹部は、長らく更地のままだった建設予定地を前に、感慨深くつぶやいた。