新電力の販売電力量【拡大】
扇島パワーでは稼働中の1、2号機(出力計81.4万キロワット)に加え、2015年度までに40.7万キロワットの3号機を新設。完成後は3基合わせて大型の原発1基分に匹敵する発電所となる。
3基体制を念頭に07年1月には環境影響評価(アセスメント)を済ませたが、当時は原発の新増設が進む中で採算を見通せず、3号機の建設は見送られた。だが、東日本大震災後の原発停止に伴う電力不足と相次ぐ電気料金の値上げで、既存の電力会社以外から電気を買いたいと希望する企業が増加。数百億円を投資して増設に踏み切る。
東ガスの岡本毅社長は、JX日鉱日石エネルギーと共同運営する「川崎天然ガス発電所」(川崎市)の増設も「有力候補」と意欲をみせており、発電事業への参入を加速する。
地域独占の見直しや発送電分離などの電力システム改革を進めたい政府も、異業種からの発電事業参入を後押しする。経済産業省は昨年9月に打ち出した新指針で、19年度以降に稼働する火力発電所の新増設や更新工事では、受注企業を競争入札で決めるように求めた。