国内の粗鋼生産量【拡大】
だが、合併効果を待つ余裕がなくなるほど取り巻く状況は厳しさを増している。12年9月中間決算(旧2社の単純合算)は有価証券売却損などの特殊要因もあり、3000億円超の最終赤字に陥った。13年3月期に神戸製鋼所は2期連続の最終赤字を見込み、黒字のJFEホールディングス(HD)も経常利益は450億円と統合後の10年間で最低水準となる見通しで、大手各社の業績は明るい材料に乏しい。
背景にあるのは(1)景気低迷による内需減少(2)世界経済の成長鈍化による輸出減少(3)汎用(はんよう)品の輸入増加(4)資源メジャーの寡占化に伴う鉄鉱石・石炭など原材料価格の高止まり-といった構造変化だ。経済産業省の予測では、12年度の粗鋼生産量は前年度比0.4%増の1億685万トンと2年ぶりの増加に転じるとはいえ、横ばいに近い。
経産省の担当者は「最悪期は脱した」としながらも、エコカー補助金の効果で販売が伸びた自動車の生産増で「粗鋼生産がかなり下支えされた」と分析しており、内需は力強さに欠ける。極端な円高水準の是正の動きに加え、日中関係の悪化による影響も次第に和らぎ、鋼材輸出が回復するといった見方もあるが、先行き不透明感は強い。