国内の粗鋼生産量【拡大】
コスト削減の余地少なく 新興国需要に望み
神鋼も中国で生産拠点の整備を模索する。中国大手との合弁で計画していたアルミ板材工場の建設は、中国の成長鈍化や日中関係悪化といったリスクを考慮して12年末に撤回したものの、引き続き検討する構えだ。
コスト削減も手を緩められない。新日鉄住金は15年ごろまで実施する年1500億円程度の改善目標を2000億円に引き上げ、3000億円規模の資産売却も進める方針だ。神鋼も人件費の削減などで体質改善を図る。ただ、改善の余地は少なくなっている。JFEHDは12年度に1200億円のコスト削減にめどをつけたが、「13年度も同じ規模で削減できるか分からない」(JFEスチールの林田英治社長)。
鉄鋼需要は現在の15億トンから2020年には20億トンに伸びるとの予測もあり、「将来を悲観する必要は全くない」(新日鉄住金の宗岡会長)ものの、足元は厳しい。「絶えざる技術・商品開発の追求」(新日鉄住金の友野社長)は怠らないとはいえ、日系自動車メーカーへの食い込みを目指す中韓勢がじわじわと迫る。鉄鋼業界の復活は「高級鋼材での差別化の維持と新興国需要の獲得にかかる」(鉄鋼担当アナリスト)といえそうだ。(橋本亮)