【底流】世界狙う“スーパー重電”誕生 三菱重と日立が手を組んだ理由 (2/4ページ)

2013.1.13 08:00

火力発電システム分野での事業統合を発表した日立製作所の中西宏明社長(右)と三菱重工業の大宮英明社長=2012年11月、東京都千代田区(大山実撮影)

火力発電システム分野での事業統合を発表した日立製作所の中西宏明社長(右)と三菱重工業の大宮英明社長=2012年11月、東京都千代田区(大山実撮影)【拡大】

 両社にとって、メーンの顧客は国内電力会社だ。だが、電力会社の23年度の設備投資総額は2兆円で、ピークの5年度に比べて半分以下にまで縮小した。成長を目指すには新興国市場の取り込みが欠かせないが、海外の受注では値引きを競う不毛な消耗戦を繰り返してきた。

 その間に独シーメンスや米ゼネラル・エレクトリック(GE)が次々と大型受注を獲得、三菱重工、日立が単独で巻き返すのは容易ではない状況に陥った。

 「国内勢同士で戦うのではなく、統合で強くなって海外と戦う体制を整えよう」。腹を決めた両社の動きは素早かった。トップ会談後、統合の準備チームが発足。両社間での綿密なすり合わせの結果、「だーっと短時間で話が進んだ」(大宮社長)という。

 26年1月に発足する合弁会社の出資比率が最大の争点だったが、三菱重工65%、日立35%で折り合った。両社の将来の事業利益を基に試算した結果といい、日立も「技術と力を結集して事業が強くなることの方が大事」(中西社長)と過半を大きく下回ることを受け入れた。

「統合で追い上げる体制が整う」と両社長は口をそろえる

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