火力発電システム分野での事業統合を発表した日立製作所の中西宏明社長(右)と三菱重工業の大宮英明社長=2012年11月、東京都千代田区(大山実撮影)【拡大】
原子力統合も視野
さらに両社は他の事業でも提携を拡大する可能性を否定していない。筆頭は原子力発電事業。原発は日立がGE、三菱重工が仏アレバと連携しており、今回の統合では対象外となったが、大宮社長は「国内原発の再稼働見通しがはっきりした段階で話し合う」といい、中西社長も「可能性を見極めたい」と将来に含みを持たせる。
追い込まれてからではなく、世界で勝つために三菱重工と日立が選択した事業統合という決断は、重電業界に地殻変動をもたらすインパクトがある。
実際、日立は三菱重工との統合発表を受け、GEとの火力発電事業の提携を解消する方針を表明。一方で、GEと火力発電事業で連携する東芝は「連携強化は、もちろん選択肢にはある」(佐々木則夫社長)とGEとの関係強化を示唆。業界再編の芽は確実に大きくなっているようにもみえる。
テレビ事業で韓国メーカーの後塵(こうじん)を拝し、パナソニックやシャープが巨額の赤字を余儀なくされるなど、世界市場における日本メーカーの競争力は大きく低下している。そうしたなかで、重電分野は日本メーカーがなお強みを維持している分野だ。
さらに世界の「勝者」を目指して誕生する新会社の成否は、日本企業が再び輝きを取り戻すための試金石でもある。(今井裕治)