それから約3年。サントリーHDが出した答えは、親会社が非上場のまま、最大の子会社であるサントリー食品の株式を上場して資金調達するという「いいところを50%ずつ取る」折衷案だった。「破談の“リベンジ”を果たした」。大手証券のある幹部はこの戦略をこう評価する。
非上場による成果
サントリーは明治32年の創業以来、創業家による経営で非上場を貫き、創業者、鳥井信治郎氏の「やってみなはれ」精神に基づく独自の企業文化を築いてきた。
代表例が昭和38年に参入したビール事業。45年間も赤字が続いた末に「ザ・プレミアム・モルツ」がヒット、平成20年12月期に初めて黒字化した。幻とされた青いバラの開発にも15年越しで成功。こうした成果は「短期間で、業績を常に市場の目にさらされる上場企業では出せなかった」(サントリーHD幹部)に違いない。