サムスン電子が発表した85型4Kテレビ=1月7日、米国ラスベガス(米沢文撮影)【拡大】
米ラスベガスで1月上旬に開催された世界最大規模の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、サムスンは画面が曲がるスマホの試作機を発表。韓国LG電子は画面がカーブした有機EL(エレクトロルミネッセンス)テレビを公開し、「日本企業の一歩先をいく技術」(関係者)と称賛された。
しかし、事実は少し異なる。6年前の07年に、ソニーは曲げられる有機ELディスプレーを世界で初めて発表。当時、専門家の注目を集めたが、いまだに商品化には至っていない。有機ELテレビについても、韓国勢が今年前半までに発売するのに対し、日本企業の発売日は白紙状態である。
人材発掘で生き残り
「日本は石橋をたたくだけたたいても渡れず損をする。一方、韓国はさっさと渡った後で、他の国が渡れないように橋をつぶしてしまう」。サムスンの元社員はこう例える。決断が遅く、他国に市場を独占されてしまうのが、今の“日の丸家電”の現状だ。