サムスン電子が発表した85型4Kテレビ=1月7日、米国ラスベガス(米沢文撮影)【拡大】
「今こそ製造業の現場で働き、パナソニックやシャープを変えてみたい」。大阪市内に住む理系の男子大学生はこう話した。
パナソニックが今月20日に大阪市内で開催した就職説明会には、2000人以上が参加した。来年度は海外を合わせて計1450人の採用を計画しており、これは11年度に比べ増加。「コストがかかっても人材を掘り起こすことが当社を救う」(担当者)と前向きだ。シャープも今年度は国内外で530人を採用予定という。
「知っていても実行しなければ、知らないことと同じだ」。パナソニックの創業者、松下幸之助氏はかつて経営についてこう説いた。
研究開発や人材獲得の意欲は海外勢に負けていないが、商品化の遅れや市場を創造できないなど日本の家電各社の未来はかすんだままだ。「家電」という枠組みに縛られず、いかに多様な事業を展開できるか。日本企業に求められているのは、しなやかで、したたかな脱・家電経営なのかもしれない。
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この企画は、板東和正が担当しました。