光は波長の長い「中赤外線」を使うため、光を反射しにくい着色添加剤が混ざった色の濃いプラスチックでも確実に選別できるのが特徴だ。従来の手作業による純度管理に比べ効率化できる。三菱電機では「純度検査の自動化により、識別の高速化と高精度化につながる」と説明している。
三菱電機は同技術をグループ会社でプラスチックなどのリサイクルを手掛けるグリーンサイクルシステムズ(千葉県緑区)に導入する計画だ。再生したプラスチックは、同社のエアコンや冷蔵庫、食洗機など白物家電の部品として活用する予定だ。
一方、島津製作所は装置の製品化を目指し、家電業界以外にも導入を働きかける考えだ。製品化の時期などは未定。
同技術は国内で11件、海外で3件の特許を出願済み。経済産業省の平成23年度の産業技術実用化開発事業費補助金を受け開発した。
2001年に家電リサイクル法が施行され、家庭や事業所から出る使用済み家電を回収し、メーカーが引き取って再商品化することが義務付けられた。同法を機に、電機各社がリサイクル技術の開発を加速させている。