昨年3月に「スモールストア」にリニューアルしたホンダカーズ千葉の八街西店=千葉県八街市【拡大】
だが、社長の伊東孝紳がこの疑念を払拭した。「軽は日本固有の商品だ。あんたにまかせる」。開発、調達、生産に至る「N BOX」の全ての機能を鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)に集結するとともに、軽の決済の全てを峯川に委ねたのだ。軽はこれまで社長の決済案件だった。そしてこの判断は社長が「N BOX」に口出ししないことを意味していた。「社長は本気だ」。異例の判断に峯川はホンダの覚悟を読み取った。
明るい道筋見せる
大震災によるサプライチェーン(供給網)の寸断、それに続くタイ工場の洪水被害。どちらも自動車メーカーで最も影響を受けたのがホンダだった。しかも軽のシェアは落ち続け、2011年の販売シェアはOEM(相手先ブランドによる生産)調達でしか売っていない日産自動車にさえ抜かれ、4位に転落。「悪いスパイラルを脱し、明るい道筋を社員や販売店に見せる」。峯川の腹は固まった。