主なLCC各社の今後の新路線・事業計画【拡大】
低運賃だけでない差別化が鍵
ただ、昨年9月、沖縄県・尖閣諸島国有化をめぐる日中関係の悪化で、上海発着の3路線(茨城、高松、佐賀)の搭乗率は通常の「9割以上」から悪化し、同社のビジネスモデルに影響が出ている。“日本撤退”の可能性も報道された。
一方、迎え撃つ日本勢では、「日本初のLCC」との自負がある全日本空輸系のピーチは、関空に続き、第2拠点に那覇空港を設定した。路線網は「4時間圏内」を基本原則とする同社では今後、那覇発着の新路線を充実させる検討を進めるなど、海外勢との競争に備える。
エアアジア・ジャパン、ジェットスター・ジャパンの残る日系2社は、3月末からLCCの空白域である中部国際空港発着の新路線を就航する。日本市場という足元を固める戦略に出る。
「群雄割拠の戦国時代」(小田切義憲エアアジア・ジャパンCEO)に入ったLCC事業の勝負を分けるのは「運賃の低価格だけではない差別化戦略」(航空アナリストの杉浦一機氏)という。(西川博明)
●=火へんに日の下に立