2月1日のシャープの決算会見で、奥田隆司社長は「IGZO技術のポテンシャルはもっと発展していく」と述べたが、中小型液晶の市場への浸透はいまいちで「お金につながっていない」(シャープ関係者)というのが現状だ。
さらに追い打ちとなりそうなのが、主要顧客である米アップルの減速。亀山第1工場(三重県)はアップル専用といわれ、高い稼働率を維持してきた。
しかし、アップルの「iPhone(アイフォーン)5」の需要が世界的に低迷し、液晶パネルを供給するシャープの受注も半減したとみられ、第1工場の稼働率も大幅ダウンしたもよう。「1~3月の中小型液晶は計画を下回る」(奥田社長)と、アップル頼りのリスクが顕在化しかかっている。
こうした事態の中、平成25年3月期における液晶事業の営業損益を1320億円の赤字から1440億円の赤字に下方修正。10~12月期、25年1~3月期の四半期ベースでみても営業赤字はかわらず、液晶を「成長の柱」に呼ぶにはまだ遠い。