新基準骨子案の対策【拡大】
ただ、防潮堤建設など大規模な工事には時間がかかるため、「文言に猶予期間を設けるニュアンスが含まれている」(規制庁)という。検討チームの更田(ふけた)豊志委員は猶予期間を「3~5年」という。もっとも、猶予期間については個人的見解に留まっており、具体的な議論はなされていない。
こうした具体性を欠く新基準に対し、福井工大の尾崎禎彦教授(プラント工学)は「安全基準は原発を止めるためではなく、安全に動かすためのもの。拙速な議論は避けるべきだ」と指摘する。
安全基準が生煮えのまま規制委が原発停止を振りかざせば、電力会社は“見切り発車”で対策を行わざるを得ない。そのツケは安定供給や料金再値上げで消費者に降りかかるだけに、規制委の早急な審議が求められる。