日銀の白川方明総裁【拡大】
TIBORは住宅ローンや中小企業向け貸し出しの土台となる金利で、実体経済やわれわれの暮らしに影響する。銀行はこうして日銀の庇護(ひご)のもとに高めの金利で楽々と高収益を稼いできた。かれらを貸し出し増に駆り立てるためには、少なくても日銀当座預金の金利をマイナスにするのが当然だ。
いきなり直面する壁は白川流理論で染まった政策審議委員たちである。日銀政策は総裁、副総裁2人と6人の審議委員で構成される政策委員会の多数決次第だが、総裁でも投票権は1票分しかない。委員たちは与(くみ)した政策の失敗を認め、新首脳陣に全面協力すべきだ。(編集委員 田村秀男)