そして、社員ですら初めて目にする人が多いという“お宝”は、初代から9代目までの赤箱パッケージや、53年ごろのテレビCMに起用されていたピンクレディーのポスターなど、牛乳石鹸の原点を物語る品々ばかり。
さらに目を引いたのは、赤箱でもない、青箱でもない、ピンク箱。岡本一彦・マーケティング部副部長(53)は「ちょうど不景気だった昭和49年、少しでも明るくしようと、赤箱からピンク箱に替えたことがあったんです。すると、売り上げが一気に落ちましてね。これはいけないと51年に赤箱に戻しました」
真っ赤な箱から白い石鹸が出てくるインパクトが、いかに多くの人々の心をとらえていたかが分かるエピソードだ。
「♪牛乳石鹸(せっけん) よい石鹸~」。工場から出てくるとき、耳慣れたフレーズを、知らず知らず口ずさんでいる自分に気がついた。今度また牛乳石鹸、使ってみようかな。