伊勢丹新宿本店=東京都新宿区【拡大】
百貨店側も手をこまねいているわけではない。J・フロントは、従来の高級衣料品中心の品ぞろえを見直し、手ごろな価格で人気を集めるファストファッションの専門店を松坂屋銀座店などに出した。
日本百貨店協会も2月26日、全国のご当地キャラクターの中から人気ナンバーワンを決める“総選挙”を実施すると発表。販売で苦戦する地方の百貨店を応援する。
百貨店の売上高は、3年の約9兆7千億円から3分の2まで縮小。ディスカウントストアやネット通販の台頭も重なれば、「28年には5兆2千億円まで縮む」(高島屋の鈴木弘治社長)との予測もある。消費者の店を選ぶ目は厳しさを増しており、百貨店ならではの魅力を常に打ち出せなければ業界の縮小に拍車がかかりかねない。「(改装に)多額の投資をして売り上げが伸びない、となれば大きなリスク」(三越伊勢丹の大西社長)にもなりうる。業態の垣根を超えた新たな再編の火種となる可能性をはらんでいる。(山沢義徳)