東芝の売上高と最終損益【拡大】
東芝の新しい経営体制が6月下旬に発足する。主流の電力部門などではなく調達部門出身の田中久雄・新社長を、上場以来初の副会長に就く佐々木則夫社長と西田厚聡(あつとし)会長が支える異例の布陣だ。リーマン・ショック後、いち早く経営を立て直し、安定的な利益体質への復帰を果たした東芝。今後いかに売上高を拡大し、自他共に認めるグローバル企業の道を歩むか。真価が問われる。
売上高減少に危機感
「売り上げがどんどん減っている」。2月26日、都内の東芝本社で開かれた社長交代記者会見後、西田会長が記者団に漏らした一言が、直面する経営課題を象徴していた。
リーマン・ショック直後の2009年、西田氏からバトンを渡された佐々木氏は10年に携帯電話事業、12年に中小型液晶事業を相次いで売却。同時に、エネルギーなどインフラ事業に経営資源を集めて収益体質を強化し、V字回復を果たした。