東芝の売上高と最終損益【拡大】
記者会見で佐々木氏は「10年度には東芝創立以来、過去最高となる(最終)利益を出し、成長軌道に乗せる私の役割は果たせた」と胸を張った。海外勢との競争激化でパナソニックやソニーをはじめ電機大手各社の業績が軒並み悪化する中、佐々木氏の手腕が際立っていることは間違いない。
一方、07年度に7兆5000億円に迫る勢いだった売上高は11年度に6兆1000億円まで落ち込んだ。不採算事業を売却した結果とはいえ、12年度に8兆9000億円を見込むライバルの日立製作所に比べ、明らかに見劣りしている。
記者会見で田中氏は「既存事業、成長分野を早く育成して売り上げの成長に結び付ける」と強調したが、伸び悩む売上高をいかに回復させていくかは喫緊の課題となっている。
成長分野テコ入れ
鍵を握るのは6つの成長分野とされる。環境配慮型都市などの「スマートコミュニティ」分野については、欧州の次世代電力計メーカーの買収をテコに15年度の売上高を9000億円まで高めたい考えだ。