ゴー氏と酒井社長は、アジアでの合弁事業を共同で進める中で数カ月に一度、定期的に顔を合わせていた。その際、ゴー氏から一方的に買収提案について伝えられたようだ。
正式に意向表明書を受けた日本ペイントは、買収防衛策の発動の可否などを取締役会に勧告する独立委員会を設置。ウットラム側へ2度にわたり、買収目的や買収後の企業価値向上策などについて質問状を送った。
だが、買収提案が取り下げられた今も、ウットラム側から回答を得ていないという。
抵抗必至のTOB、経営スピード感に不満?
日本ペイントが2度にわたって質問状を送ったのには理由がある。今回の買収提案には、買収後にどんな戦略で企業価値を向上させるのか、買収後の企業統治のあり方などについての情報が完全に欠如していたためだ。
ウットラムは華僑系の非上場企業で、実質的にゴー氏のオーナー企業。ウットラムに買収されれば、ゴー氏個人が株主総会の支配権を掌握し、企業統治上のリスクが生じるなど懸念材料が多すぎた。