ショットノートは、タブレット端末やスマートフォンを活用し、手書きのメモをデジタルで記録できる【拡大】
22年中ごろ、遠藤氏は若手のデザイナーや開発者らを集めて開いた「お茶会」で、新製品のアイデアを出し合うのが習慣になっていた。キングジムでは、若手社員が発案した企画で立て続けにヒット商品が生まれ始め、自由な発想をぶつけあう風土が育ちつつあったからだ。
そのきっかけは、20年にヒットした印字機能のないワープロ「ポメラ」だった。「ポメラ」はテキスト入力機能だけに特化した新しいメモ帳で、「電源をONにすると即起動するので、アイデアがひらめいた瞬間を逃さない」(同社)という便利さと手軽さが好評でヒットにつながった。
遠藤氏は「この商品が生まれてからは、社内に『新しいことをやっていいんだ』という雰囲気が盛り上がった」と強調する。遠藤氏が「お茶会」や「井戸端会議」と称する商品開発ミーティングを頻繁に開くようになったのもこのころからだ。
遠藤氏らは、商品開発のコンセプトを「スキルアップ文具」と掲げ、ノートの取り方や活用術が上達するノートカバーを考案し、ヒットを飛ばした。