関電関係者は「東電病院と比べれば、明らかに存在価値は高い」と胸を張る。
とはいえ、開業が電気料金値上げの直後になるため、電力消費者側の目は相当に厳しくなりそうだ。大阪市福島区に住む40代の自営業の女性は病院を見上げてつぶやいた。
「電気料金を値上げしておいて、なんで立派な建物を建てるの?!」
設備は増強、母体は弱体化
関電病院はもともと関電健康保険組合の病院として、昭和28(1953)年に設立。30年から関電が運営し、42年に現在地に移転した。新病院は現病院が老朽化したため、平成22年3月11日から建設がスタートし、今年3月完成した。
地下2階、地上18階建てで、延べ床面積を約3万7千平方メートルと現病院の約2万2千平方メートルから拡大。病床数は現病院と同じ400床だが、手術室を6室から8室、個室の病床数も89床から140床に増床。回復期の患者の機能改善を目指す「回復期リハビリテーション病棟」も新設する。