新関西電力病院(関西電力提供)【拡大】
迫るコスト削減の波、生き残りの道は
実は、全国の企業立病院を取り巻く環境は厳しくなっている。
厚生労働省のデータによると、企業立病院は平成14年11月時点で62施設あったが、19年10月に株式会社化された日本郵政の逓信病院14施設を除き、今年1月時点で47施設にまで減少。母体の企業の経営悪化などで、閉鎖や譲渡といったケースが相次いでいるのだ。
とはいえ、地域住民から頼りにされる企業立病院もある。
大正3(1914)年に開院し、100年近い歴史を持つキッコーマン総合病院(千葉県野田市)は年間約20万人もの患者の治療に当たる。食品会社ならではの「食と健康」の理念で、予防医療を強化し、給食による入院患者の栄養管理も充実。年間25万人の来院に対応できるという。
実は、新関電病院にも、関電グループの強みが生かされる。院内にはオール電化を導入し、設備の設計や運転は関電エネルギーソリューションが一括管理。ビル・エネルギー管理システム(BEMS)の導入で省エネルギーにも取り組む。
関電は技術で医療の環境向上を目指しつつ、社会への貢献や評価につなぐ考えだ。地域の生活や安全を支える点において、電力事業も病院経営も変わらない。新関電病院は社会に頼りにされる病院となるのか、企業としての真価が試される。(宇野貴文)