鈴木主任は当時、次の夏に向け、果汁に塩を加えた飲料の開発で、どんな果実を使うか、思慮していた。「これだ」。鈴木主任は帰国後、ライチに塩を加えた試作品を作り、開発チームのメンバーに意見を聞いた。
チームでは、各自が思いついた試作品をメンバーに振る舞うのが、開発の第1ステップだ。酷評を浴びて、日の目をみない商品もあるが、ライチに塩の反応は上々。ライチをベースにした商品開発が決まった。
だが、単純に「おいしい」では、新商品として力不足だ。悩んだチームはやがて、季節の果実に塩を入れたタイのデザート「ローイゲーオ」の存在を知る。「南国のタイには熱中症などに対する、家庭の知恵があるはず」。同年11月、鈴木主任ら4人がタイへ飛んだ。
タイに滞在中、メンバーは連日30度を超える猛暑の中、実際にイチゴなどのローイゲーオを作る家庭を訪問し、調理の様子を間近で見た。