「塩の量はどうやって決めているんですか?」。鈴木主任の問いに、母親は「今日は暑いから多めね」。「分量はどうやって決めたんですか?」。母親は少し考えて答えた。「私のママも、こうやって作ってくれたから」。レシピのすべては、脈々と受け継がれた家族への愛情の中にあった。「そんな商品として売っていこう」。チームは収穫を胸に帰途に就いた。
帰国したチームは、ソルティライチを「体にやさしい飲料」とすることに心を砕く。厚労省の推奨基準を満たすナトリウム摂取量と味の両立を目指し、塩も約10種類を試し、最終的に沖縄海塩にたどり着いた。ライチの鮮烈さに、体にしみ込むようなやさしさの同居。ソルティライチは、他商品にない味わいを手に入れることになる。
最後のハードルは、役員向けの試飲会直後に起きた東日本大震災だった。業界全体に、ミネラルウオーターや茶系飲料などに商品を絞り込む空気が高まった。