追い風になったのは、皮肉にも震災が引き起こした節電需要だった。夏に空調温度を高めに設定する家庭やオフィスが増えれば、熱中症対策としてのソルティライチは、消費者の要請に応えられる商品といえた。かくして23年7月。「熱中・脱水対策に、水分と塩分補給。」とのキャッチフレーズとともに、ソルティライチは店頭に並んだ。
それから数日。鈴木主任はコンビニなどの売り上げを示すデータに目を見張った。1店舗平均で通常4~5本といわれる低果汁飲料の日販が、ソルティライチは約2倍の7~8本を売り上げていたのだ。年間販売目標の45万ケースは1カ月で達成した。
1月からは、図子久美子主任が商品担当に就いた。図子主任は発売当時、営業で赴任した広島県で、ソルティライチを売り込んだ経験を振り返る。「本当にみんなにこれを飲んでほしいと、会社が一つになった商品でした」。そして、こう付け加えた。
「大切な人に飲んでほしいもの。それがきっと、消費者に受け入れられる商品になるんだと実感しています」。思いは、これからも受け継がれていく。(佐久間修志)
■ソルティライチ キリンビバレッジが展開する「世界のKitchen(キッチン)から」シリーズの第16弾。渇いたからだに塩分補給ができる熱中・脱水対策飲料。「ライチ」に「沖縄海塩」を合わせ、純水で割った。500ミリリットルペットボトル(143円)と1.5リットルペットボトル(330円)がある。