≪STORY≫
妊娠や出産、加齢などによって起こる軽い尿もれは、40代以上の女性であれば3人に1人以上が経験しているといわれる。しかし、その対処法としては、生理用ナプキンで代替している人が多いのが現実だ。ユニ・チャームが紙おむつのノウハウを活用して開発した「チャームナップ」の開発チームは、女性の「声なき声」に耳を傾け、悩み解決に一役買っている。
「お客さまの顔が見えない。それが開発チームが抱える悩みだった」。グローバル開発本部商品開発部の田中良和シニアマネージャーは約20年前に、チャームナップの初代製品を開発したときの苦労を今でも忘れることができない。
軽い尿もれの悩みを抱える女性はたくさんいると聞いていたが、ユニ・チャームのマーケティング部や調査を依頼した専門業者にも、その悩みの詳細を把握することはできなかった。
商品開発のヒントを聞くグループインタビューを開いても、恥ずかしくて、尿もれの経験を明らかにできない人が多い上、「自分が尿もれをしているという事実を、信じたくない人もたくさんいた」からだ。