【ITビジネス最前線】日本の若い起業家を阻む壁 (1/4ページ)

2013.4.1 05:00

 ■政府によるスタートアップ支援を

 日本で、テクノロジー起業家でいるのはある種の挑戦だ。起業を難しくしている要因のすべてが日本特有のものというわけではないが、アメリカでは見られないことがいくつかある。毎週のように紹介しているアメリカ発の革新的なサービスについて考えるときにも、その違いを念頭に置く必要がある。

 ◆新卒でないと不利

 まず、日本には新しいスタートアップの数が足りない。近年、インキュベーターを中心に、新規スタートアップの事業を活性化させようと多くの支援活動が展開されており、それは実に立派なことなのだが、これだけでは不十分だ。なぜなら、日本の採用制度においては、新卒者を中心にする構造が完全に出来上がっているからだ。

 そこで、聡明(そうめい)な新卒生は、日本屈指の企業体や政府に採用されようと必死になる。つまりは、企業の経営陣や政府機関の上層部にのぼり詰めるまでの長いキャリアの道のりを選ぶわけだ。

 この構造があるために、大学を出てすぐに企業で働き始めることがかなわなかった学生には、いくら頭がよくても「汚点」が残る。一流の大学で学ぶ賢い若者は、大学を出てすぐに起業するとなると、事業が失敗するリスクとともに、将来、簡単には普通の仕事を探せなくなるという大きなリスクをも背負わなければならない。

 若い大学生や新卒生が生まれて初めて事業を始めたいと思ったときに、日本では「起業家としての道に一生をささげる」のだと、事実上身を縛らなければならない。スタートアップの創業者が失敗すればまた簡単に新しい仕事を見つけられるのであれば、彼らは早く失敗して次に進むことができる。しかし、日本では創業者の選択肢が限られているため、成長の兆しもないのに経営を続けるゾンビ企業が多くみられる。

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