ソニーの事業部門別業績【拡大】
この1年、国内外の事業所や営業所を自ら回り、社員一人一人と進むべき方向性や課題などを議論してきた。訪問先は欧米やアジア、南米など20カ所以上に及ぶ。平井社長は「グループ16万人の社員に、自分の考えがだんだんと浸透してきた」と手応えを感じている。
主力のエレクトロニクス部門の低迷が響き、ソニーは12年3月期に4566億円という過去最悪の最終赤字に陥った。なかでも不振を極めるテレビ事業は、8年連続で赤字が続く。
何よりも深刻なのは、ソニーらしいヒット商品が生まれていないことだ。最後のヒット商品と呼ばれる家庭用据え置き型ゲーム機「プレイステーション」の発売は、18年以上も前に遡(さかのぼ)らなければならない。
その間、かつて世界市場を席巻した携帯音楽プレーヤーでアップルに、テレビではサムスンにシェアで抜かれた。
危機感を強めた平井社長は、ヒットが生まれない理由の一つを縦割り組織にあるとみて「ワン・ソニー」を掲げて矢継ぎ早に社内改革に動き出した。