フィルムの主原料であるコラーゲン研究の蓄積によって開発された人工タンパク質「RCP」を培養する研究員=神奈川県開成町の富士フイルム先進研究所【拡大】
米アップルの「iPhone(アイフォーン)」は、部品の半分以上が日本メーカー製とされるが、国内電機メーカーはiPhoneを生み出せなかった。
富士フイルムだけでない。世界市場に影響力を誇ってきたパナソニックやシャープが経営危機に陥る中、一時は構造不況業種になった素材産業でも、東レのように過去最高益をたたきだし、異彩を放つ企業もある。
繊維をつくる高分子化学の技術を応用して開発された炭素繊維は、鉄よりも軽くて丈夫な先端素材で、自動車のほか、米ボーイングの旅客機「787」にも採用され、世界シェアの約3割を占める。
海水を淡水化したり、汚水を浄化する水処理膜でも最先端を走る東レは、これまでに国内主力工場を閉鎖したことはなく、「イノベーションこそがその原動力」(同社)であることを証明している。