相続、贈与が身近な問題になり、多くのシニアが金融機関の税制改正セミナーに集まる=3月、大阪市中央区の三井住友信託銀行大阪本店営業部(石川有紀撮影)【拡大】
そのほか、従来は三井住友信託銀行に紹介していた相続財産調査や分割協議書作成などの「遺産整理業務」を自行で開始するなど、信託ニーズの掘り起こしに本腰を入れ始めた。
信託機能を持たない地銀も商機をうかがっている。池田泉州銀行は信託銀行と代理店契約を結び遺言信託などを扱ってきたが、税制改正をにらみ、3月に自行の新商品として「相続定期預金」を発売。
相続で受け取った現金を預け入れると、金利を上乗せして運用する。同行広報は「高齢化と相続税の基礎控除額引き下げで相続対象者が広がり、顧客に関心が高まっている」と商品開発の狙いを話す。
相続ビジネスの拡大を図る金融関係者がそろって指摘するのは、「相続は争族」「家族間の財産配分をめぐるセンシティブな問題」ということ。金融各社はワンストップで相談できる体制と商品の充実で顧客の取り込みを狙うが、複数世代にまたがる息の長いビジネスだ。勝負を分けるのは、親密に相談できる金融マンのコンサル力と信頼性になりそうだ。