【ビジネスアイコラム】
「2位じゃ、駄目なんでしょうか」-。
民主党政権が誕生した2009年、無駄遣いカットの切り札として鳴り物入りで始まった「事業仕分け」。蓮舫参院議員が放ったこの一言で、一躍クローズアップされたのが、昨年本格稼働した神戸市のスーパーコンピューター「京」だった。
この発言を受け、予算は「凍結」されたが、これにノーベル賞学者らが猛反発。最終的にゴーサインが出た結果、毎秒1京(京は1兆の1万倍)回の計算速度を達成し、11年6月のスパコン性能ランキングで世界一に輝く。
“偉業”ゆえに、国民は拍手喝采し、報道合戦も盛り上がったのだ。新幹線、東京タワー、瀬戸大橋…。戦後、資源小国の日本が奇跡的な高度成長を成し遂げたのは「世界一」「世界初」に挑んだ科学技術の賜物(たまもの)だ。