野村の主力ブランド「プラウド」を立ち上げた14年の年間発売戸数は4千戸台で、10年間で1・5倍に増えた。同社の山本成幸常務は「高質感があるプラウドのブランドイメージが年々定着した結果」と振り返る。
3LDKの分譲価格が5千万円前後の「プラウド」に加え、23年8月からスタートした価格帯が3千万円前後の新ブランド「オハナ」も好調に推移している。「中堅デベロッパーの撤退で、他社が手薄となった郊外のマンション需要を取り込む」(山本常務)のが狙いで、多様な顧客層に対応する「ダブルブランド戦略」が勝因につながった。
25年の計画発売戸数について、2位の三井不動産レジデンシャル、3位の三菱地所レジデンスは、それぞれ5千戸台と見込む。6千戸台を掲げる野村不動産が独走しそうな勢いだ。
ただ、不動産大手各社はこのままの状況が続くとは考えていない。少子高齢化が進行し、マンション発売戸数の増加は見込めないからだ。限られたパイを奪い合う構図が続けば、「いずれは大手を中心とした業界の寡占化が進むだろう」(不動産大手役員)との見方が強まる。