アベノミクスで活気づくマンション業界 上位争いで再編加速か (4/4ページ)

2013.5.6 12:00

大京の山口陽(あきら)社長

大京の山口陽(あきら)社長【拡大】

 大和ハウスの大野直竹社長は「コスモスは首都圏での事業が強い」と狙いを明かす。マンション供給の首都圏での割合を現状の25%から50%まで増やし、主戦場で優位に立つ戦略だ。

 今が「買い時」 

 不動産経済研究所によると、25年のマンション市場は前年比10・7%増の10万3900戸になると予想。過去最多の6年(18万8343戸)には及ばないが、リーマン・ショック前の19年以来の10万戸台の大台を回復しそうだ。

 今後は来年4月の消費増税を見据え、住宅の駆け込み需要が生じる。「消費者には『今が買い時』という心理が働く」(不動産経済研究所の松田忠司(ただし)・主任研究員)という流れもある。マンション市場はしばらく活況を呈する気配だ。

 松田氏は「耐震偽装事件や東日本大震災で、消費者はマンションに安心・安全を求めており、大手による寡占化の傾向はさらに強まる」と予想。別の業界関係者も「マンション購入の決め手として、地震対策が増えている」と指摘する。こうした消費者の需要をどれだけ的確にとらえられるかが、シェア争いの行方を左右することになりそうだ。(西川博明)

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