対照的にアマゾン・ドットコムやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のフェイスブックは無配当経営で、稼いだ現金は株主還元よりもシステムや設備投資に資金使途を優先する方針を続けている。
つまり、アップルの新しい財務政策は企業として次の段階、「成熟化」に移った証拠といえる。
アップルはブランドとマーケティング力で知られるが、「消費者のインターフェース(接点)を抑えた垂直統合」という川上のコンテンツから川下の端末までのバリューチェーン(価値連鎖)を、一気通貫で押さえた経営モデルが成功の本質だった。
スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット(高機能携帯端末)などを開発して、消費者が接する端末分野の新市場を作り、音楽配信のアイチューンなどを経て、コンテンツ利用に際してはアップルストアを経由させてデータを蓄積した。基本ソフトやブラウザーもアップル製なので端末の動作はスムーズで使いやすい。