アイリスの家電部門の売上高は法人向けLED照明を除き、当初の16億円から24年は165億円と10倍強に膨らんだ。国内向けを中心に25年は300億円とさらに倍増させる計画だ。
PM2・5対応商品も
これまで宮城県角田市に研究開発拠点を置き、中国の自社工場で生産してきた。業容拡大に伴って、家電技術者の中途採用を増やしてきたが、勤務地の不便さがネックとなり人材確保が難しくなっていた。
大阪で採用した技術者は順次、角田市の拠点で3カ月間の研修を受けている。大阪R&Dセンターは計17人の陣容で本格的な体制に入る。大山社長は「大気汚染物質PM2・5対応の空気清浄機と加湿器を、このR&Dセンターから商品化したい」と語り、ニーズ獲得に意欲を見せた。
国内の白物家電市場は日系大手を中心に参入メーカーが限られている。関西の大手電機メーカー退職者たちが、「受け皿」となったアイリスでどういったアイデア商品を生み出すのか、目が離せない。