サイバー被害が拡大する中で、「バブルといっていい」(関係者)ほどの急成長市場だが、パナソニックにとって手ごわいライバルもひしめき合う。
24時間態勢でサイバー被害者の相談を受ける事業には、約300人のホワイトハッカーを雇うラックが既に参入。ウイルス対策ソフトについても、「ウイルスバスター」で有名なトレンドマイクロが、多くのシェアを占める。
パナソニックグループが関西に地盤を置くのも“弱み”だ。
あるセキュリティー企業関係者は「首都圏の経営者はセキュリティーへの投資意欲が強いが、関西の中小企業経営者の意識は低い」と指摘する。関西では、セキュリティー担当者を1人しか置かない中小企業もあり、「“根性論”で乗り切ろうする風潮もある」(専門家)とか。
パナソニックは主力だった自動車、住宅関連事業の業績が思わしくないだけに、サイバー事業にかける意気込みは大きい。中核事業に育てられるか、今後の経営手腕が注目される。(板東和正)