自然派貫くサラヤ 本当に優しい商品づくりとは何か (1/4ページ)

2013.5.26 21:00

ウガンダの子供たちに、簡易手洗い設備でせっけんを使用した手洗いを教える更谷社長=今年2月(同社提供)

ウガンダの子供たちに、簡易手洗い設備でせっけんを使用した手洗いを教える更谷社長=今年2月(同社提供)【拡大】

 公共施設やオフィスの洗面所にある緑色の薬用せっけん液、台所用ヤシノミ洗剤で知られる衛生・健康関連メーカー、サラヤ(大阪市東住吉区)。「人間と自然との共生」を創業理念として、植物由来の原料から商品開発、ほとんどの商品パッケージに「自然派のサラヤ」と銘打つ。植物原料をめぐる環境問題にも直面したが、創業者の更家章太氏(現顧問)から受け継いだ理念をかたくなに守り、「消費者と環境に本当に優しい商品づくりとは何か」を常に問い続けている。

 不買運動の危機

 “難問”は平成16年、突然に持ち上がった。

 「アブラヤシ(ヤシノミ洗剤の原材料)農園の拡大が、アジアのゾウの生存を脅かしている」。あるテレビ局がこんなドキュメンタリー番組を企画し、サラヤ首脳の出演を求めたのだ。

 「地球に優しいと信じていた商品の原材料が生まれるところで、こんなことが起こっていようとは…」

 章太氏の長男で2代目の更家悠介社長は、当時の衝撃を著書「世界で一番小さな象が教えてくれたこと」でこう振り返っている。

ヤシノミ洗剤は、石油系の合成洗剤より分解されやすい

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